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バセドウ病

  • 3月18日
  • 読了時間: 4分

更新日:3月18日


【バセドウ病】

『症状』(甲状腺中毒症の症状です)

・暑がり ・汗かき ・疲れやすい ・動悸がする ・息切れ ・落ち着きがなくイライラする ・学校の成績が落ちる ・食欲があるのに体重が減る ・手足が震える(振戦) ・甲状腺(のど仏の下)が腫れる ・眼球が突出する


『原因』:自己免疫疾患といって、自分の組織を自分ではないと認識してしまう病気の一つです。TSH(下垂体から出ているホルモン)が甲状腺の表面にある受容体(レセプター)に結合して、甲状腺を刺激して甲状腺ホルモン(T4とT3の2つがあります)を作らせているのですが、そのTSHレセプターに対する自己抗体(TSHレセプター抗体:TRAbと言います)が作られてしまい、レセプターに結合してTSH以上に甲状腺を刺激して甲状腺ホルモンを過剰に作ってしまいます。甲状腺機能亢進となって上記の症状が起こってしまいます。


『頻度』女性に多い病気で、約200人に1人の頻度です。20~30歳代に多いです。院長が「日本甲状腺学会専門医」であることから、当院では成人の患者さんも診ています。開院以来、当院を受診したバセドウ病患者さんは83人で、15歳以下の患者さんが13人います。最年少は4歳です(2026年3月18日現在)。


『治療』①薬物療法、②手術療法 ③アイソトープ療法、の3つの方法があります。

①  薬物療法:まずは抗甲状腺剤の内服から始めます。第一選択はチアマゾール(商品名:メルカゾール)が推奨されています。メルカゾールで副作用が出てしまった時や妊娠初期や授乳中にはプロピルチオウラシル(商品名:プロパジール)を使います。2~3か月で症状も収まり、検査結果も良くなりますが、すぐ薬を中止すると再発することが判っていますので、徐々に薬の量を減量して。2年以上は続ける必要があります。しかし、治療を止められても、再発しやすい病気です。長いお付き合いになることをご承知下さい。

「薬の副作用」薬疹、肝障害、無顆粒球症(白血球のうちの顆粒球が減る。重症な感染症になることがあります。初期症状は、発熱と咽頭痛です。内服初期には熱が出たらすぐに受診して下さい)、その他、多発性関節痛などがあります。

②  手術療法:甲状腺の大部分を切除する手術です。副作用のため2つの抗甲状腺剤が使いえない場合、抗甲状腺剤の服薬が悪くて病気がよくならない場合、甲状腺腫が巨大で抗甲状腺剤では良くならない場合、早期に症状をよくしなくてはならない事情がある場合、などに手術を選択することがあります。

③  アイソトープ療法(放射性ヨード内用療法):放射性ヨード入りのカプセルを内服します。放射性ヨードが甲状腺に集まり、甲状腺組織を徐々に破壊していきます・18歳以下の若い人には勧めていません。


『妊娠および出産』計画妊娠をして下さい。

①  甲状腺機能亢進がある場合は、流早産しやすかったり、未熟児が生まれる可能性があります。甲状腺機能を十分にコントロールしておく必要がありますので、計画妊娠をして下さい。

②  妊娠中の甲状腺検査の基準値は妊娠前とは違い、治療量も違うので、そのことをよく知っている専門医に診てもらうことをお勧めします。

③  抗甲状腺剤:妊娠前は「チアマゾール(メルカゾール)」が普通は使われていますが、妊娠初期に使うと胎児に奇形がみられることがあるので、プロピルチオウラシル(プロパジール)に変える必要があります。妊娠の可能性がある方には、プロピルチオウラシル(プロパジール)に変更しています。

④  授乳:「チアマゾール(メルカゾール)」が3錠以上の場合は、母乳に薬が移行して新生児の甲状腺機能を低下させるので、移行しにくいプロピルチオウラシル(プロパジール)に変更します。

⑤  新生児バセドウ病:母親のTSHレセプター抗体(TRAb)が高い場合は、妊娠末期に胎盤を通じて胎児に移行して、胎児に甲状腺機能亢進症を起こします。出産すれば数日でTRAbは消失しますが、時には新生児バセドウ病となって治療が必要になることもあります。産婦人科と小児科との連携が必要です。

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