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橋本病(慢性甲状腺炎)

  • 3月31日
  • 読了時間: 3分

【病名について】日本の橋本策博士が世界で初めて報告した病気なので「橋本病」と言われます。

【原因と頻度】

自己免疫疾患(自分の臓器を自分でないと認識してしまう病気)の一つです。橋本病は、自分の甲状腺組織を自分ではないと認識して、攻撃して徐々に破壊して、甲状腺ホルモンを作らせなくなります。

成人女性の10人に1人、成人男性の40人に1人という頻度です。

当院では、成人の患者さんも診ているので、今までに70人を診ました。15歳以下の患者さんは18人もいまして、最年少は7歳です。(2026年3月19日現在)

【症状】

①  甲状腺機能低下症:甲状腺ホルモンは全身の臓器に作用して代謝を盛んにします。甲状腺ホルモンの分泌が減ると機能低下症状が出ます。4~5人に1人くらいと言われています。当院では、初診時に機能正常だったのは70人中51人でした。

・倦怠感(無気力)、・疲れやすい、・皮膚の乾燥(カサカサ)、・寒がる、・むくむ、・便秘、・食欲低下。

②  甲状腺腫:喉ぼとけの下に甲状腺がありますが、そこが腫れます。大きさは様々です。

【検査】

甲状腺自己抗体:血液検査で「抗ペルオキシダーゼ抗体」「抗サイログロブリン抗体」の両方または片方が陽性になります。

甲状腺機能:甲状腺ホルモン「freeT4」「freeT3」および甲状腺刺激ホルモン「TSH」を検査します。

甲状腺エコー検査:甲状腺腫瘍や癌が合併している場合もあるので、検査します。

【治療】

甲状腺機能が正常の場合は治療の必要はありませんが、徐々に機能低下になることがあるので、定期的な診察と検査が必要です。機能低下の場合には、甲状腺ホルモン剤を服用します。薬の量の調節に定期的に検査をします。一旦、機能低下になると生涯、薬の内服が必要になることが多いです。

【妊娠】

機能低下があると妊娠しにくいことがあります。また、妊娠を希望された場合には、普段より厳格な治療基準となりますので、検査を受けましょう。

 

特殊な形

無痛性甲状腺炎(破壊性甲状腺炎)

【症状】甲状腺中毒症状(バセドウ病と同じ症状)が出ます。通常は約3ヶ月以内に甲状腺中毒症は自然に改善する。回復期に甲状腺機能低下症になることが多く、少数は永続性の甲状腺機能低下症になる。

【原因と頻度】甲状腺構造の破壊が起こり、内の甲状腺ホルモンが血中に放出されて血中の甲状腺ホルモン濃度が高値になります。甲状腺の痛みはないです。

頻度は、一般人口ではまれ(0.5〜5%)、産後では非常に多い(5〜10%)、橋本病の患者ではさらに高頻度です。

【検査所見】

1.遊離T4高値(さらに遊離T3高値)

2.TSH低値

3.抗TSH受容体抗体陰性

4.放射性ヨウ素(またはテクネシウム)甲状腺摂取率低値

(1~3はクリニックでも出来る血液検査ですが、4は病院でしか出来ない検査です。血液検査などでバセドウ病との鑑別が難しい時には4の検査を病院に依頼します)

【治療】

基本は 自然経過の観察ですが、症状が強い場合のみ対症療法を行います。

甲状腺中毒症時期に、動悸・振戦が激しければ、β遮断薬内服をします。甲状腺機能低下症時期に、低下症状が強かったりしたら、甲状腺剤の内服をします。長期間治療することは滅多にありません。

 

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