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ハチミツなどが原因で命に関わることもある「乳児ボツリヌス症」
2017年3月30日、 生後6か月の乳児が、ハチミツの摂取が原因と考えられる「乳児ボツリヌス症」 で亡くなるという、非常に痛ましい出来事がありました。 日本では、1986年に千葉県で重い神経症状を示した 本邦初の乳児ボツリヌス症 が報告され、その原因がハチミツであることが判明しました。以後、厳重な注意喚起がなされてきましたが、その後も散発的に発生が続き、時間の経過とともに情報が十分に伝わらなくなっていた中で、 初めての死亡例 が起きてしまいました。 メカニズム ボツリヌス菌は芽胞の状態で世界中の土壌、河川、湖沼、海水、泥などの自然界に広く分布しています。このため、農作物、魚介類、動物の肉などのあらゆる食品の原材料がボツリヌス菌に汚染される可能性があります。 ボツリヌス菌が芽胞から発芽して産生したボツリヌス毒素は、神経終末部に作用して、筋を麻痺させたり、自律神経が作用しないようにブロックします。自然界に存在する毒素としては最も強力であります。 芽胞は120℃で4分間の加熱で、毒素は100℃で1~2分の加熱でなければ失活しません。...
1月12日
先天性甲状腺機能低下症の話
先天性甲状腺機能低下症とは… 生まれつき甲状腺の働きが良くない病気です。 先天性甲状腺機能低下症 が正式な名前です。 しかし、名前が長いため、以前は通称 クレチン症 と言われていましたが、不適切な言葉とされ、現在は使われなくなりました。英語では Congenital Hypothyroidism と言うため、 CH と略されます。 甲状腺ホルモンは、乳幼児期の脳や神経の発達、からだの成長に不可欠なホルモンです。このホルモンが極端に不足した(すなわち典型的な)CHで、発見が遅れると知能障害は治療によっても回復しません。昔はCH患者の 3分の2 が知的障害を伴っていました。しかし、 乳児早期に発見して治療すれば、知能障害になる率が低い ことが分かってきました。 1979年から全国的にCHに対する新生児マススクリーニング(先天代謝異常症等のスクリーニング検査)が行われ、生まれて 4~5日 で検査されるようになりました。その結果、早期発見・早期治療が実現し、ほとんどのCH患者は全く正常な生活が送れるようになっています。私が診ている患者さんの中にも、欠損
1月11日
低身長のお話
1.調べた方がよい「低身長」とは 身長が極端に低い状態を、医学的には 「小人症(低身長症)」 と呼びます。これは、性別・年齢ごとの身長の平均値と比べて、どれくらい差があるかを示す 「標準偏差(SD)」 という指標を使って判断します。 一般的に、 「平均値 −2.0SD」よりも身長が低い場合 を「小人症」と定義します。この範囲に入るお子さんでは、成長に影響する病気が隠れている可能性もあるため、一度診察や検査を受けることをおすすめします。 また、 身長の伸び方が悪い場合 も注意が必要です。身長は「今どれくらいあるか」だけでなく、**「1年間に何cm伸びているか(成長率)」**も大切なポイントです。 性別・年齢別の成長率で 「平均値 −1.5SD」よりも伸びが少ない場合 には、診察や検査を考えた方がよいとされています。 左の表: 「平均値 −2.0SD」の身長(cm) 右の表: 「平均値 −1.5SD」の成長率(cm) 月齢 男 女 男 女 4歳0ヶ月 92.5 91.9 5.8cm 5.8cm 5歳0ヶ月 98.1 97.7 5.1 5.
1月10日
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